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病院収入記録の研究
守屋 博
1,2
1国立東一管理部
2病院管理研修所
pp.29-33
発行日 1950年3月1日
Published Date 1950/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200109
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よいサービスをしようと考えるのは凡ての,病院管理者の希望でありましよう。しかし現在の様な,ぎりぎりの経営をやつている時にはサービスの良否の大部分は,其の病院の使える,経費に,比例するものであります。所がその経費は一体どこから得られるでしようか。若し社会医療制度が完全に行われる時代になれば,凡ての患者は無料で治療を受けられるから,病院の経費は凡て,税金其の他でまかなわれる事になるでしよう,その時病院に与えられる豫算多過は,社会の医療に対する理解の程度によつて左右されるでしよう。しかし現在は,国立,公立の様な公共病院でも税金からの補助は一定の額に限定されていて,それ以上は,病院の收入に待つと云う事になつています。従つて100万円の補助を受ける病院でも,200万円の收入があれば300万円を使用する事が出来,500万円の收入があれば600万円の仕事が出事る事になります。ここに凡ての管理者が病院收入について熱心に研究せねばならぬ理由があります。若し正確な收入豫算を立てる事が出来ねば,正確な支出豫算を立てる事が出来ません。
正確な收入豫算を立てるには過去の收入の記録を正確にして,これを分析研究せねばなりません又收入源泉を色々と分類する事になつて,色々の経営上の工風をする事が出来るのであります。
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