徹底分析シリーズ 素朴な疑問―これにて13件落着!
11件目―肥満患者の術前評価で注意すべき点は何か
余語 久則
1
,
磯野 史朗
1
YOGO, Hisanori
1
,
ISONO, Siroh
1
1千葉大学医学部 麻酔・疼痛・緩和医療科
pp.229-231
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101163
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●BMI25以上,特に上半身肥満に注意
日本人の肥満の基準値はbody mass index(BMI)≧25(kg/m2)であり,欧米人(BMI≧30)より低く定義されている。これは,BMI 25程度でも,心血管系,代謝系の合併症が多く,睡眠時無呼吸の発生率も高いからである。それ故,欧米からの論文や教科書に記載されている数字よりも肥満の基準を低く設定して,周術期のリスクを考える必要がある。また,BMI値よりも脂肪の分布がより重要であることを認識すべきである。同じBMIでも,上半身肥満(内臓脂肪型)のほうが下半身肥満(皮下脂肪型)より,術前や周術期の合併症が起きやすいことに注意しなくてはならない(図1)。
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