連載 治療薬アラカルト
最近の話題―モノクローナル抗体医薬品のアナフィラキシーショック
中木 敏夫
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1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.1230
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101104
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モノクローナル抗体ブーム
従来から受動免疫療法として抗体を投与することが行われてきた。例えば,針刺し事故に使用する抗HBsヒト免疫グロブリン,Rh血液型不適合に使用する抗Dヒト免疫グロブリン,抗破傷風ヒト免疫グロブリンなどである。
これらは,ヒトの血漿に存在する抗体を変質させない方法によって血漿を分画し,免疫グロブリン画分を集めて製造している。そのため,これらの製剤は純粋な抗体製剤ではなく,他の血漿成分も含む。したがって,抗体自身はヒト免疫グロブリンであっても,患者にとっては異物が存在していることになり,これが抗原となって,患者に投与した際にアナフィラキシーショックなどのアレルギー反応が生じる説明となり得る。
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