徹底分析シリーズ 術後回復力増強(ERAS)プロトコール
ERASプロトコールとは―祝!周術期医療質向上プロトコール完成に向けて
岩坂 日出男
1
IWASAKA, Hideo
1
1大分大学医学部 麻酔科学講座
pp.944-949
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101036
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ヨーロッパでは,ヨーロッパ静脈経腸栄養学会を中心に,手術患者の術後回復力を高めようというERAS(enhanced recovery after surgery)プロトコールが進行しています。ERASプロトコールは,エビデンスにもとづいた周術期の種々の患者管理方法を,プロトコールとして集学的に実施することで,術後の回復力を高め,安全性の向上,術後合併症の減少,入院期間の短縮,経費節減を目指した試みで,当初は大腸癌手術患者で開始し有効性が確認され,徐々に適応手術が拡大してきています。周術期管理をチーム医療として見なすこのプロトコールで果たす麻酔科医の役割は決して小さいものではありません。すべてが日本で実施可能ではありませんが,取り入れることのできることは取り入れ,手術患者の管理の質を向上することが必要となってくると思われます。
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