トロント小児病院見学記
小児心臓麻酔レポート(その3):人工心肺離脱から手術室退室 編
増江 達彦
1
1中濃厚生病院 麻酔科
pp.906-915
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101027
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トロント小児病院(SickKids®)での心臓麻酔の見学レポート,最終回である。
人工心肺離脱の正否を左右するのは心内修復の良し悪しにかかっていることは言うまでもない。トロント小児病院で修復の出来栄えをみる方法の中心は,経食道心エコー法(TEE)である。
トロント小児病院では,プローブの挿入は麻酔科医が行ってはいるが,操作・判定・記録は小児循環器科医が行っている。麻酔科医は麻酔管理に専念し,循環器科医は血行動態の変化に悩まされることなく20分くらい,ゆっくり時間をかけて心エコー評価を行っている。
その後,プローブを抜いてプロタミンを入れることになるが,そこからが結構出血する。したがって,トロント小児病院では大量出血に対するプロトコルができており,その実際をみることができた。
今回は,この二つを中心に報告する。前回に引き続き,主に新生児・乳児の心臓手術の麻酔が中心である。
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