徹底分析シリーズ 周術期管理に必要な抗血小板療法の理解1
血液はなぜ固まるのか?(その2) 病的血栓形成のプロセス
浅田 祐士郎
1
ASADA, Yujiro
1
1宮崎大学医学部 病理学講座構造機能病態学分野
pp.428-431
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100926
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アテローム血栓症は,動脈硬化性プラークの破綻に伴う血栓症によって発症する。流速の速い動脈では,血小板が血栓形成の主役を演じると理解されており,抗血小板薬の発症予防効果は多くの臨床試験からも証明されている。しかし,プラーク内では組織因子が発現しているため,凝固反応の関与も大きい。凝固反応は,従来より内因系・外因系からなるカスケードモデルが広く受け入れられているが,いくつかの臨床的矛盾点が指摘されてきた。
本稿では,アテローム血栓症における血栓形成機序と新たに提唱されている細胞をベースとした凝固反応モデルについて概説する。
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