徹底分析シリーズ 周術期管理に必要な抗血小板療法の理解1
血液はなぜ固まるのか?(その1) 生理学的止血のプロセス
中竹 俊彦
1
NAKATAKE, Toshihiko
1
1元杏林大学保健学部 臨床血液学教室
pp.420-426
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100925
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編集者から指定されたタイトル「血液はなぜ固まるのか?」は,あまりにも古くから,そして科学の目で追究が続けられてきた,今日もなお一言では語り尽せない疑問である。“血液凝固の不思議”は一向に色あせない。
本稿では,血管の破綻,血小板の活性化,凝固系の活性化,線溶過程に至るまでの概要について述べる。しかし,これら血液凝固・線溶系の知識をもってしても,健常な生体血管内で血液が凝固せず流れ続けることの理解は容易ではない。血液が凝固せずに流れ続けることの背景には,血液成分(特に血漿成分)と血管(特に血管内皮細胞)の機能がある。血管内皮細胞の特異な機能を知れば「(生体内で)血液はなぜ固まるのか?」という自問やその病態に答えを見いだせるに違いない。
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