症例検討 電解質異常とその治療(その1)
薬物による医原性高カリウム血症:高齢化社会,そのメカニズムの理解は欠かせない
森 健太
1
,
坂本 丞
2
Kenta MORI
1
,
Susumu SAKAMOTO
2
1明石医療センター 循環器科
2明石医療センター 内科
pp.268-271
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100890
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症例
78歳の女性。身長150cm,体重50kg。数年前から近医にて高血圧症の診断を受け,バルサルタン80mg/日とジルチアゼム60mg/日の内服をしていた。さらなる血圧コントロール目的のため,2か月前からエプレレノン50mg/日を追加投与されていた。悪心・嘔吐ならびに下肢脱力,強い全身倦怠感を訴えて救急外来を受診した。血液検査にて高カリウム血症(8.0mEg/dL)と心電図異常(徐脈とP波平低化,T波の増高・尖鋭化)を認めた。動脈血ガス分析では,pH 7.322, cHCO3 14.9mmol/L。BUN 26.5mg/dL,クレアチニン1.45mg/dLと軽度の腎機能障害を認めた。来院1時間後に血液透析療法を開始した。3時間の透析終了時,血漿カリウム値は4.1mEg/dLに低下した。
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