徹底分析シリーズ 産科麻酔のControversies:帝王切開術の麻酔法の常識に迫る!
帝王切開術のための脊髄くも膜下麻酔では局所麻酔薬の量を減らすべきである
大橋 弥生
1
,
中楯 陽介
1
,
角倉 弘行
1
Yayoi OHASHI
1
,
Yousuke NAKADATE
1
,
Hiroyuki SUMIKURA
1
1国立成育医療センター 手術・集中治療部
pp.334-338
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100628
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古くから,妊娠中は非妊娠時に比べ,同じ麻酔域を得るために必要とされる局所麻酔薬の量が減少していることが知られており,帝王切開術を脊髄くも膜下麻酔で行う場合の局所麻酔薬の至適投与量が真剣に検討されてきた。その後,脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(CSEA)が普及すると,たとえ脊髄くも膜下麻酔の効果が十分でなくても,硬膜外麻酔により麻酔域を調整することが可能となり,脊髄くも膜下麻酔に用いる局所麻酔薬の量に頭を悩ますことは少なくなった。しかし,最近では,肺塞栓予防のために早期離床が勧められており,術後の運動神経麻痺の少ない脊髄くも膜下麻酔単独での麻酔が見直されつつある。
本稿では,帝王切開術のための脊髄くも膜下麻酔では局所麻酔薬の量を減らすべきか,減らすとすればどれくらい減らすべきかを検討する。
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