症例検討 ダメージコントロール
重症腹部多臓器損傷に対するDCSの実際
金子 直之
1
Naoyuki KANEKO
1
1防衛医科大学校病院 救急部
pp.590-594
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100345
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症例
42歳の男性。作業中倒れてきたクレーンに腹部を下敷きにされ受傷。搬入時収縮期血圧50mmHg。腹腔内出血が明らか(FAST陽性)であったため,救急室にて緊急開腹した。損傷は少なくとも肝右葉複雑型損傷(IIIb),胆囊漿膜下破裂,総胆管亜断裂,空腸断裂+腸間膜全層損傷(IIIb),上行結腸漿膜筋層裂傷(Ia),後腹膜血腫,右腎損傷(IIIb),尿管損傷〔腎盂尿管移行部断裂(UPJ)〕を認めた。術中血圧は70mmHg,準備血も十分でない。
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