徹底分析シリーズ またまた研修医の素朴な疑問─1
経鼻胃管はいつまで留置しておくべきか?
進藤 潤一
1
,
國土 典宏
2
1焼津市立総合病院 外科
2東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科
キーワード:
経鼻胃管
,
消化管機能回復
,
周術期管理
Keyword:
経鼻胃管
,
消化管機能回復
,
周術期管理
pp.530-531
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100328
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●術後の胃管留置が必要とされる理由
開腹手術の術後管理では,経鼻胃管の留置がルーチンに行われてきた。それは術後の急性胃拡張の予防,腸管麻痺に伴う悪心・嘔吐の軽減,誤嚥の防止,縫合不全の予防などを目的としたものである。特に胃切除術においては,以前は胃内の減圧が縫合不全の予防に重要と考えられ,個々の施設での“お作法”に従い,胃切後排ガスがあるまで最低数日間留置されていた。
経鼻胃管の留置は患者にとっては不快なものであるし,排痰が妨げられ術後肺合併症の増加も危惧される。胃管の留置が果たしてその苦痛に耐えるだけの効果をもたらすものであるのかどうか。術後の消化管生理および近年の臨床試験の結果にもとづき,経鼻胃管抜去の適切なタイミングについて考える。
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