症例検討 病棟における気道確保と緊急気管挿管
病棟における気管挿管
井上 哲夫
1
Tetsuo INOUE
1
1日本医科大学千葉北総病院 麻酔科
pp.340-343
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100286
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気管挿管の目的は,気道の開放維持(確保),気道の防御・保護,機械的人工呼吸による酸素化や換気の適正化,そして気道分泌物の吸引である。適応は,正常呼吸を維持するのに必要な要件(表1)の一つまたは複数が重度に障害されている場合である1)。しかし,現時点でさしたる障害がなくとも臨床経過上,このような病態への変化が予測される場合には気管挿管を考慮する必要がある2)。挿管の要否の決定は,必ずしもクリアカットにはできない。
また,病棟での気管挿管の実施には,Advanced Life Support(二次救命処置)の開始に関する倫理的問題もあり3),人的,設備的な臨床環境も考慮したうえで,挿管のリスクとメリットを判断することが必要になる。いったん挿管が決定された場合は,最適なルート,手技,使用薬物の選択およびその準備が必要となる。
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