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from LISA
pp.219
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100277
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- 文献概要
■先月, センター試験の日に, 日本脳神経外科救急学会が開かれました。その中のシンポジウム「医療事故と刑事訴追」は, 医療事故が刑事訴追される事例が増加していることで, 医療の現場は急速に防衛医療・萎縮医療に傾きつつある現状について, 医療側, ジャーナリスト側, 法曹界から意見を述べ, 今後の方向性を議論しようという, 興味あるシンポジウムでした。問題点は整理され, 報道の現状なども理解されたものの, 残念ながら, 今後の方向性までには至りませんでした。もっとも, 「“中立な報道”を期待する/を心がける」などという言葉が出るようではまだまだかもしれません。そうした中, とりわけ印象深かったのは, NHK解説委員の発言でした。そもそも, 1 枚のスライドもない発表にもかかわらず, 医療者側と患者側の取材をとおした, それぞれの生の声が伝わったのではないかと思います。そして, 大野病院産婦人科の問題について, 関連学会が声明文を出しているが, 声明文の前に, この事例に対する徹底的な検証を行うべきではないかとの発言がありました。
医療事故に警察が関与することを否定すると同時に,その事故の徹底解明が,さらなる事故を防ぐうえでも必要であるということ。第三者機関としての検証システムを求めるのではなく,医療を提供する側自らがそうしたことを行うことは確かに重要です。
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