徹底分析シリーズ 非常時:病院と患者とあなたを守るために
病院を孤立させないために
中山 伸一
1
Shinichi NAKAYAMA
1
1兵庫県災害医療センター
pp.768-773
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100155
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「病院は災害に強く,安全である」という神話はもともと存在しない。あったとしても,それはまったくの誤解である。免震構造を採用した病院はいまだ少数派だし,出入り自由でセキュリティー対策が甘い病院を爆破することなど,素人でも簡単である。あなたが働く手術室や集中治療室は,病院のなかで最も周囲からセパレートされており,あたかも安全な牙城と誤解してはいないか。ハイテクを誇る手術室や集中治療室こそ,最も「孤立」する可能性が高い場所にほかならない。ハイテクと安全性とはまったく別問題である。災害時の情報交換は常に課題であり,完全な手段はない。だからこそ,まさかの時には的確な情報を発信し,関係者の間で共有することがキーとなる。あなたの牙城を孤立させないために…。
Copyright © 2008, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.