特集 循環器診断の新時代を築くAI
序文
循環器診断の新時代を築くAI
小寺 聡
1
1東京大学循環器内科
pp.4-5
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232840740010004
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近年,人工知能(AI)技術の進展は目覚ましく,循環器診療の現場にも不可逆的な変化をもたらしつつある.胸部X線画像や心電図の自動解析,ウェアラブルデバイスによる不整脈検出,さらには問診や診療記録作成を支援する生成系AIなど,AIはもはや研究室の中の技術ではなく,臨床判断の前提条件になり始めている.循環器診療は多様なモダリティと大量の情報を扱う領域であり,AIとの親和性が高い一方で,その導入の遅れは診療の質そのものに直結しかねない段階に入っている.
本特集「循環器診断の新時代を築くAI」は,こうした問題意識のもとに企画した.筆者自身,研究開発の現場だけでなく,実臨床や医療機器承認(PMDA)を見据えたAI開発に関わる中で,「AIは使えるか否か」ではなく,「どのように使わなければならないか」が問われる時代に入ったことを強く実感している.技術は急速に進歩している一方で,現場の理解や運用は必ずしも追いついていない.この乖離を埋めることこそ,今,循環器領域に求められている課題である.

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