特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
巻頭言
読む人の心々にまかせおきて
細川 宏
1
1東京大学医学部解剖学教室
pp.1
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906261
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書物や雑誌を読みながら,ふと心に感じた章句をノートに記し留めて,時折り読み返してみる。同じ章句でも,感銘の度はその折り折りで異なり,意義の了解の仕方も必ずしもいつも同じでない。言葉とは不思議なものである。
それらの章句の中から,特に科学的な心の姿勢とでもいつたものに関係したものをいくつか挙げて,この「巻頭言」という厄介な仕事の責めを塞ぐことにする。個々の章句について私なりの注釈を加えたい気がしないでもないが,そこはやはり「読む人の心々にまかせおく」こととしよう。順序・配列は全く任意のものである。著者や出典を伏せておく方が却つて面白いかとも考えたが,やはり一応名前だけは挙げておくことにする。
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