寄書
キヤンベラの研究者たち
伊藤 正男
1
1東京大学第2生理学教室
pp.204-207
発行日 1962年8月15日
Published Date 1962/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906244
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著者は1959年2月から1962年の5月までオーストラリアのCanberra市に滞在し,The Australian National UniversityにおいてEccles教授のもとに集る1群の生理学者達の間に生活する機会を得た。周知のようにEccles教授は微小電極による脊髄運動神経細胞の研究を創始した人でその研究室は現在甚だ活発な活動を行つている。温血動物用の実験室5つ,化学室1つ,組織標本室1つ,工作室1つをもちEccles教授,その長女のRose,Curtis(現在の地位はリーダー)を始め10人から15人の研究者がそれと略同数の技術員達と共に働いて居り,人々の間には恐るべき活気がある。又街は美しく生活は豊かで筆者にとつてはまことに楽しい年3有余の歳月であつた。
滞在期間中,1961年の6月,微小電極が始めて運動神経細胞に刺入された実験の10周年記念として,一夜盛大なパーテイが開かれ,Eccles教授とCoombs氏が主催者となつて教室員とその家族が招待された。招待状は1951年Proceedings of the University of Otago Medical School(Vol. 29,No. 2,pp. 14 and 15)に始めて運動神経細胞からの細胞内誘導電位を発表した別刷の余白に印刷されてあつた(写真参照)。
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