Japanese
English
綜説
Alkylphosphateの中毒学的考察
Toxikologische Epikrise über die Vergiftungen durch Alkylphophaten
酒井 文徳
1
Fuminori Sakai
1
1東京医科歯科大学薬理学教室
1Pharmakologist an der Tokio Medizinischen und Zahnärztlichen Universität
pp.23-31
発行日 1960年2月15日
Published Date 1960/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906111
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戦後我国に於いて農薬が極めて盛んに用いられるようになるとともにこのものによる中毒が大きな問題となつたことはすでに我々周知の事である。それ故今回,ここに農薬,特にParathionを中心として現在迄行われてきた研究と,我々の行つたこの領域に関する実験結果をとりまぜ,主として薬理学的観点からこの毒物の作用に就いて考察を加えて見たい。
Parathion(E 605)類の毒物を総称してAlkyl-phosphateと称するが,この化合物は化学的には既に古くから見出されていたものであり,特に新しい化合物ではない。しかし第二次大戦中から戦後にかけて,これ等が昆虫殺虫剤として極めて卓効を奏するものであることが明らかになるにつれて,次々と各種の誘導体が作られた。Schrader1)によれば,その化合物の基本型とも称すべきものは【O(S)=R1R2P-Acyl】Acyl=F oder CN oder der Rest einesPhenols oder eines Enolsで示されると云う。
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