海外だより
Woods Holeだより
後藤 昌義
1
,
酒井 敏夫
2,3
1鹿児島大学医学部生理学教室
2慈恵医科大学生理学教室
3ロツクフエラー医学研究所
pp.43-45
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906059
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ボストンから南へ汽車で2時間,大きな運河を越えると急に気温が下り,ここから避暑地としても有名なケープ・コードです。氷河の侵蝕に加えてメキシコ暖流,ラプラタ寒流の影響をうけ,多様な入江,岬,沼など無数にあります。美しい自然の景色とともに,海産動植物の天然の宝庫として知られています。このケープ・コードの一角にWoods HoleがありMarine Biological Laboratoryが生物学関係者のメツカになつているわけです。
メツカというと大変固苦しい感じですが,この研究所では背広にネクタイは御法度,アロハにブルジンのパンツ,あるいは水着そのものが制服です。前も後も海,明るいサンドレスのお嬢さん達が出入している研究所は外にあまりないかも知れません。どこの船員か田舎のオジイサンとみえる人々が有名なノーベル賞候補者であつたり大学教授であつたりします。全くカミシモなし素裸の学者達が研究と避暑とを思う存分楽しんでいるといつた感じです。幸いに私達もこの夏をここで過す機会に惠まれました。つたないレポートですが,その一面でも御伝えできたらと存じます。
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