Japanese
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綜説
酸化還元電位的共鳴について
Sur la resonance d'oxydo-réduction dans la chimie cellulaire
久保 秀雄
1
Hideo KUBO
1
1大阪大学医学部生理学教室
1Laboratoire de Physiologie physico-chimique Université d'Osaka
pp.244-253
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905828
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まえがき
広くそして深くしらべられた,またされつゝある細胞化学の知識の集合の底に流れている一貫性のある法則を,たとえそれが小さくとも,それを探しあてたい。それには個々の物質から離れて一応ある量に写像しよう。とすればある量を遊離エネルギーに求めるのが,さしあたりとるべき途であろう。このエネルギーに求めるとすれば,これと一次的に関係のある酸化還元電位の測定に移すのが研究手技の上から穏当であろう。
こういう考えのもとに乏しいながら研究を進めてきた。問題は生体作用物質のElectroactivitéに收斂する。酵素作用簇を含めて酸化還元可逆性色素系列が対象となる。この研究のうちに実験的事実を通して一つの考え方をもつようになつた。その内容を言いあらわすのに酸化還元電位的共鳴となづけたならばどうかと思うようになつた。本稿はこれについて,そこにまで来た道をふり返つてみたノートである。
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