今月の表紙
周期性同期性放電
小口 由美
1
,
蓜島 皆子
1
1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部
pp.1447
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906474
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解説
症例は72歳,女性.脳波には陽・陰・陽の3相から成る高振幅鋭波である周期性同期性放電(periodic synchronous discharge;PSD)を認めた.主訴は意識障害,不随意運動で,既往歴は1947年に子宮外妊娠手術,1997年に胆石手術があり,頭部手術歴および角膜移植歴はない.家族歴には類似の症状の者はない.現病歴は2001年9月18日,頭痛,気分が重い,たまに物忘れをすることを主訴に当院精神神経科を受診.病的な症状ではないと診断された.その後同年10月5目に左半身のしびれと頭痛で当院脳外科を受診,頭部CTおよびMRIで異常なく,10月19日より脳血管性パーキンソン(Parkinson)症候群の診断で投薬を開始した.この間ADL(activities of dairy living,日常生活動作)が急速に低下して車椅子移動となり,10月9日を最後に日記記載の習慣がとだえ,次いで“天井にナメクジが這っている”などの幻覚やつじつまの合わない行動が発現するようになった.10月24日,意識障害と四肢の不随意運動が出現したため,11月12日,当院神経内科に入院となった.11月16日の脳波でははっきりとしたPSDは認められなかったが,11月22日の脳波ではPSDを認めた.また,ミオクローヌスも出現したためクロイツフェルト-ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease;CJD)疑いと診断された.
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