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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
蛋白質,その他修飾試薬
光反応試薬
3H-ニトレンジピン
3H-nitrendipine
平田 肇
Hajime Hirata
pp.298-299
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905285
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■特性および構造
ニトレンジピンは,いわゆるカルシウム拮抗薬として知られる1,4-ジヒドロピリジン誘導体の一つである。カルシウム拮抗薬は,狭心症,不整脈あるいは高血圧などの治療に用いられ,臨床的な有用性が高いが,とくに心筋や平滑筋などにおけるL型Caチャネルの特異的阻害剤であることが明らかにされて以来,Caチャネルの研究に広く用いられている1)。これらカルシウム拮抗薬の中でニトレンジピンの3H標識化合物がもっとも早期に市販され,L型Caチャネル同定のリガンドとして用いられている。
ニトレンジピンの構造式は図1に示すとおりで,化学名:ethyl methy1-1,4-dihydro-2,6-dimethyl-4-(m-nitrophenyl)-3,5-pyridine dicarboxylate。分子式:C18H20N2O5。分子量は360.37で,淡黄色の結晶性粉末で無臭である。融点は157〜160℃,水にはほとんど溶けないが,クロロホルム,エタノールなどによく溶ける。遮光して保存。
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