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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
基礎試薬(一般実験試薬)
タンパク質の定量法
タンパク質の定量法(総論)
Methods for measuring protein concentration : Ashort review
太田 英彦
1
Hidehiko Ohta
1
1浜松医科大学生化学第2講座
pp.277-280
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905278
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タンパク質の定量は簡単なようでいて難しい。すでに方法がいくつも考案されているが,いまだに決定的な方法がないことは最近になってもいくつも新しい方法や改良法が考案発表されているところからも明らかであろう。この難しさは定量されるタンパク質の複雑さに基づく。つまり原理的にタンパク質ごとの発色能率の違いをなくすことが不可能であるうえ,取り扱い上どうしても含まれる夾雑物の影響があるからで,将来的にもすべての試料に適用できるような理想的な方法の開発は望めないと思われる。したがって測定方法を選択するには,はじめに誰かから習った方法をそのまま踏襲し,必要に応じて新しい方法を選択するという安易ともいえる態度でよいように思われる。これまでの方法の詳細や文献はやや古くはなったが菅原・副島1),および中尾・中尾2)にゆずり,ここではおもにそれ以後の方法を記すことにする。
また,タンパク質の定量法が困難といっても特定のタンパク質の個別的定量法については純化されていれば当然可能のはずであるし,夾雑物があっても免疫定量法により精密な測定が可能であるので,以下は種々のタンパク質の混合物の定量法に話を限りたい。
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