話題 第18回北米神経科学会より
第12回谷口シンポジウム"Neural Programming"に出席して
彦坂 興秀
1
Okihide Hikosaka
1
1生理学研究所
pp.156-157
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905256
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Neural Programmingとは何か。私たちの行動の多くが神経活動に基づいていることを疑う人はいないだろう。その行動の内容は,すでに学習され,反復されたものかもしれない。あるいは,あらたに創造されたものかもしれない。いずれにしても,その空間的時間的パターンは脳のなかに神経情報として蓄えられているに違いない。その実体を明らかにしようというのがこのシンポジウムの目標であった。これは運動制御のメカニズムであると同時に運動の記憶のメカニズムでもある。さらには,目的的行動全体をささえるメカニズムでもある。そして,システムとしての脳を研究するわれわれに残された最大の課題である。このシンポジウムで提起されたいくつかの問題を取り上げてみよう。
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