Japanese
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特集 細胞外マトリックス
基底膜と細胞の相互作用
Interactions of basement membranes and cells
井出 千束
1
,
遠山 稿二郎
1
,
大沢 得二
2
,
牛木 辰男
1
Chizuka Ide
1
,
Koujiro Tohyama
1
,
Tokuji Osawa
2
,
Tatsuo Ushiki
1
1岩手医科大学医学部解剖学教室
2岩手医科大学歯学部口腔解剖学教室
pp.280-286
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905141
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I.基底膜の形態学
基底膜は,筋線維(骨格筋,心筋,平滑筋を含めて)の表面,内皮細胞や上皮細胞の底部,シュワン細胞の表面,中枢神経グリア境界膜の表面に見られる。また脂肪細胞の表面にも不完全な基底膜が存在する。基底膜は一般にこれらの細胞が結合組織と接する境界部に形成されるとみることができる。筋線維は細胞全周が結合組織に接するので全表面が基底膜に被われているが,上皮細胞や内皮細胞の場合には,管腔側や隣の細胞に接する面には形成されず,結合組織に接する底部にのみ形成される。シュワン細胞の場合も同様で,軸索に接する面は基底膜を持たず,結合組織に接する細胞表面にのみ基底膜が形成される(図1)。グリア境界膜では星状膠細胞の突起が軟膜の結合組織成分に接する場所に基底膜が存在する。
光学顕微鏡での基底膜の同定はPAS染色や鍍銀法によった。電子顕微鏡では,光顕でいう基底膜(basementmembrane)に相当する場所に細胞膜と一定の間隙を保って,電子密度のやや高い無構造な物質の層を認める。この層の厚さはだいたい50〜100nmで,basal laminaまたはlamina densaとよばれ,主にⅣ型コラーゲンからなる。
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