Japanese
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特集 生体運動の分子機構/研究の発展
筋収縮:急速凍結法によるアプローチ
Rapid freeze study of muscle contraction
月田 承一郎
1
,
矢野 雅文
2
Schoichiro Tsukita
1
,
Masafumi Yano
2
1東京都臨床医学総合研究所超微形態研究部門
2東京大学薬学部薬品製造工学教室
pp.115-118
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905111
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生体運動の分子機構を電子顕微鏡を用いて研究する場合,電子顕微鏡像の持つ時間分解能が問題となる。電子顕微鏡像の持つ時間分解能とは,あまり聞き慣れない言葉であるが,「どのくらいの時間内に起きた構造変化を議論できる像であるか」というふうにここでは定義する。このような定義に基づくと骨格筋の収縮中に起きるアクチンフィラメントとミオシンフィラメントの滑り運動を分析するには,これまで述べられてきたように少なくともミリ秒の時間分解能が要求される。従来行われてきた電子顕微鏡用の試料作製法ではグルタールアルデヒドや四酸化オスミウムなどの固定剤を用いるために分のオーダーの構造変化を議論するのが限界であった。しかし,約10年前に,液体ヘリウムを用いた急速凍結法が電子顕微鏡試料作製法に応用されてから,事情は一変した1,2)。われわれは,独自の急速凍結システムを用いて様々な生体運動の分子機構について研究を進めてきたが3-6),最近収縮中の骨格筋の瞬間像を得ることに成功した7,8)。この小文では,われわれの成果をまじえながら,筋収縮の分子機構を探る上で,急速凍結法が持つ可能性について述べてみたい。
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