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特集 細胞生物学実験マニュアル
基本技術
急速凍結ディープエッチング法
Quick freeze, deep etch method
廣川 信隆
1
Nobutaka Hirokawa
1
1東京大学医学部解剖学教室
pp.426-434
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904922
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生物試料を液体ヘリウムないし窒素で冷却した純銅表面に圧着することにより急速凍結させると,試料の表面から10〜15μmまでを硝子化状態で凍結させることができる。この条件下では氷の結晶は非常に小さく細胞の微細構造を破壊することはない。またこの場合,凍結保護剤(グリセロールやDMSO)を必要としないので,これらの試料を凍結破断装置の中で凍結破断後,試料温度を上昇させ細胞膜真表面や細胞質内をおおっている氷を昇華させること(エッチング)が可能である。このように急速凍結,フリーズフラクチャー,ディープエッチングにより細胞膜,オルガネラ膜真表面および細胞骨格系の三次元構造の高分解能での観察が可能となった。さらに試料を抗体で処理することにより未知の構造の化学組成および生化学的に分離された蛋白の細胞内局在を分子レベルで解析することが可能となった。
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