Japanese
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解説
伝達物質によるイオン能動輸送の制御作用—カテコールアミンとNa+−K+ポンプ
Modulation of active ion transport by neurotransmitters: Catecholamines and Na+-K+pump
甲斐原 梢
1
,
纐纈 教三
2
Kozue Kaibara
1
,
Kyozo Koketsu
2
1九州大学理学部化学教室
2久留米大学医学部生理学教室
pp.84-88
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904967
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神経細胞や筋細胞の膜電位はNa+,K+とCl−の細胞内外の濃度差と,細胞膜のこれらのイオンに対する透過性によって決まる拡散電位であり,その大きさはGoldmanの理論式によって示されることは一般に認められている。したがって膜電位が変化する場合は,細胞膜の透過性の変化か,または細胞内イオン濃度の変化によるものである。また,正常な細胞内のイオン濃度を保つうえにNa+−K+ポンプが重要な役割を演じていることはよく知られている。
Na+−K+ポンプの変化は細胞内のNa+とK+の濃度変化を生ぜしめ,その結果として膜電位を変化せしめるであろう。さらに,Na+−K+ポンプの変化が膜電位を変化せしめる機序として,もう一つ重要な可能性が考えられる。すなわち,もしNa+−K+ポンプそのものがelectrogenicであれば,Na+−K+ポンプの変化は直接に膜電位を変化せしめるであろう。
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