特集 細胞生物学実験マニュアル
序
pp.254
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904866
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
生命の単位である細胞についてわれわれの理解は新しい実験技術の開発や導入のたびに急速に増大してきた。多岐に亘る技術を組み合わせて,細胞を多角的・総合的に研究する領域が細胞生物学といえる。今や,単に形態学,生化学,生理学といった古典的な枠内のアプローチのみで真の細胞生物学を進めることは困難になっている。細胞を総合的に分析することが強く要求されている現時点で,必要かつ基本的な実験技術をマニュアルとして集成することは有意義なことと考える。
細胞生物学には,大きく四つの研究の柱がある。ゲノム,膜オルガネラ,細胞骨格・運動,および細胞社会学がそれである。それぞれの柱に必須の技術と共通した基本技術がある。それらすべてを取り上げるには紙面の限度があり,また,生化学,分子生物学,免疫学などの技術や,形態観察の基本技術については他に成書もある。したがって,本特集では,細胞生物学に比較的固有な技術のみに限ることにした。細胞研究に有用な「細胞毒」のマニュアルは一昨年の同じ倍大特集号で取り扱った。
Copyright © 1986, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.