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特集 神経科学実験マニュアル
脳組織の実験材料
細胞分画—シナプトソームとシナプス小胞
Preparation of synaptosomes and synaptic vesicles
田代 朋子
1
Tomoko Tashiro
1
1東京大学医学部付属脳研究施設生化学
pp.333-335
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904757
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■ 概要
脳組織を軽くホモジナイズすると,神経終末膨大部が軸索部からちぎれ,閉じた膜顆粒「シナプトソーム」を生ずる。シナプトソームは人工産物ながら,神経伝達物質を含有するシナプス小胞やミトコンドリアなどの内部構造を保っており,in vitroの神経終末部として多くの生化学的研究に用いられてきた。しかしながら,哺乳類脳から得られるシナプトソーム標品の純度は50〜70%で,しかも伝達物質の面からは異種のシナプトソームの混合物である。このような限界を知ったうえで,個有の機能を識別できるような実験法を選ぶ必要がある。
また,目的によっては,脳以外のより均質な材料(たとえば,シビレエイ電気器官,イカ頭部神経節など)から得られる高純度,均質なシナプトソーム標品を用いることができる。ここでは,哺乳動物脳を材料とした一般的なシナプトソームを中心に,シビレエイ電気器官コリン作動性シナプトソームについても簡単に説明する。
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