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特集 神経科学実験マニュアル
実験動物取り扱い法
トリ
Birds
斎藤 望
1
Nozomu Saito
1
1獨協医科大学第二生理学教室
pp.267-269
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904737
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■ 特徴と意義
ニワトリは昔から卵と初期胚の発生の実験動物としてよく利用され,哺乳類のモデルとしても発生学の重要な位置を占めてきた。しかしトリ一般は脳の実験動物としてはあまり重要視されていない。哺乳動物と比較すると小脳のみ発達しているが,大脳は小さく,皮質が欠除していることが主な理由である。しかし,哺乳動物の大脳皮質の構造とは異なるが,それに対応する過線状体はよく発達して,ニワトリとハトの学習(すり込み現象など)の座(連合野)として評価されている。カナリヤでは過線状体後頭葉に聴—発声中枢がよく発達し,さらに性差が著しく性的二型をなす。発声中枢のニューロンは,性ホルモンに鋭敏に反応して発声の学習と深い関係がある1)(この変化は雄の季節的羽色の変化と平行する例もある,図1)。
視聴覚は特異的に発達して,ある種のトリは聴覚により精密な方向定位(フクロウ),視覚器により磁気受容する(ハト)など,哺乳動物と大きく異なった感覚をもっている。
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