連載 スクラブ・ナース 3年生・30
バリアトリクス
鈴木 美穂
pp.985
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101069
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日本でバリアトリクスというと,水ダイエットなどのダイエット方法と思われがちであるが,Bariatrics(肥満学)は食事療法だけでなく,胃バンディング術などの外科療法も含めた医学の一分野である。ニューヨークでは,今年の夏から全米で初めて市条例によるトランス脂肪酸の外食産業での使用量規制が始まったり,有名コーヒー店では全乳が2%乳に置き換えられたりと,肥満に関するニュースがない日はない。
それもそのはず,肥満が本当に多い。日本でも近年“メタボ”が騒がれているが,それは「内臓脂肪は大丈夫ですか。みかけがやせているからといって安心できませんよ」という警鐘的意味合いが濃く,アメリカと比べれば切実さが違うように思う。アメリカでは従来どおりボディマスインデックス(BMI)だけでみても,成人の30%以上が肥満(BMI≧30)であり,2015年までには40%以上になると予測されていて,日本の2~3%とは比べものにならない。やせていれば必ず健康とはいえないが,太っていれば必ず何か問題があるのである。
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