Japanese
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特集 モノアミン系
モノアミン系の病態生化学
Clinical biochemistry of monoaminergic system
永津 俊治
1
Toshiharu Nagatsu
1
1東京工業大学大学院総合理工学研究科生命化学専攻細胞生理学講座
pp.117-128
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904513
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モノアミン系は,カテコールアミン類のドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンと,インドールアミン類のセロトニンを神経伝達物質とする神経系を総称する。カテコールアミン系はアミノ酸のチロシンよりドーパを経て1),インドールアミン系はアミノ酸のトリプトファンより5-ヒドロキシトリプトファンを経て2),芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素による脱炭酸反応により生成される(図1)。モノアミン系は神経伝達物質として脳と末梢神経の作用を介して広範囲な生理活性をもつので,神経疾患,精神疾患,高血圧などの循環器疾患などにおいて病態に重要な役割を果すと考えられている。
最近,異型フェニルケトン尿症Ⅱ型,Ⅲ型(atypicalphenylketonuria typeⅡ and typeⅢ)のようなモノアミン系の生合成障害を来す新しい疾患が発見され,モノアミン系の病態生化学に大きい進歩がみられた。
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