Japanese
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特集 免疫系の情報識別
総説
免疫ネットワークと抗原認識
Immune networks and antigen recognition
坂戸 信夫
1
Nobuo Sakato
1
1大阪大学医学部細菌学教室
pp.131-138
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903380
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はじめに
1980年代の免疫学の一つの方向は,1970年代に発覚した最も基本的な免疫学上の現象に関わる重要な問いの数数に対してさらに深くメスが入れられ,分子レベルでのアプローチが成されるであろう。このアプローチは,各種生物学で適用され成果があがっていることはいうまでもないが,いわゆる部分を全体にまで止揚された"organized immunology"がもちろん望まれる。1970年代の免疫学は,また,古い概念をいさぎよく捨てなければならないということも教えてくれた。つまり,免疫学における"common sense"が刻々と変りつつある。これに関して,例えば,免疫オーケストラで,1968年にはG. O. D.(gcnerator of diversity)が,1974年には,ある種のT細胞が,1977年にはLyt 1,Lyt 2,3, Lyt 1,2,3T細胞の三人が指揮者となった1)。また同時にオーケストラの団員も増加している。
免疫系は極めて複雑である。抗原とそれに対応した1クローンとの反応で特異的抗体分子が産生されるというクローン選択説は基本的には万人の認めるところである。
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