Japanese
English
講義
下部側頭回と網膜上刺激等価性
Inferior temporal cortex and stimulus equivalence across the retina
Mortimer Mishkin
1
1N.I.M.H.,N.I.H.
pp.437-450
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903359
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これからお話ししますことは,主に,下部側頭回の視機能についての私の新しい考え方であります。私たちの最近の研究知見を皆さんに理解していただくために,以前に得られた研究結果をまず簡単に述べたいと思います。
大脳皮質の視覚第一次領野(図1のOC領野)に始まる皮質視覚系は,おおまかに,二つの系に分けることができると私たちは考えています。一つは脳の背側方向に経路をとるもので,視覚第一次領野から,後部下頭頂葉および弓状溝周辺領域に投射している系です。この系は上縦束と呼ばれている経路に含まれるもので空間視に関する情報処理にとくに重要な役割を担っていると私たちは考えております。この系で処理された情報は,さらに,運動系に伝達されます。すなわち,この経路の主な役割は視覚情報のうち,空間的な性質を抽出することであり,一般的には,視覚刺激に対応する四肢や身体の動作に重要な役割を果たしているということができます1,2)。
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