Japanese
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特集 Na+輸送系の調節
総説
Aldosterone系の比較生理学
Comparative physiology of aldosterone system
曾我部 博文
1
Hirofumi Sokabe
1
1自治医科大学薬理学教室
pp.247-251
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903330
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はじめに
Aldosterone系の進化に関しては,1965年Denton1)が有名な総説を書いている。そこではAldosterone分泌の調節と食塩摂取欲salt appetiteが主題となっている。その後14年間の研究の進歩は,この方面の知識を大幅に増大し,すでにそのあるものは教科書レベルのものとなった2〜4)。
Aldosteroneで代表される鉱質コルチコイドは,脊椎動物が陸に上り,水とナトリウムの不足に直面したときに,始めて生理的重要性が生まれたと考えられる。図1に脊椎動物の系統樹を示すが,肺魚類と両生類以上でこの問題が起った。哺乳類ではaldosteroneの分泌の調節は,ACTH,血漿Na+とK+,renin-angiotensin(RA)系などによって行われている。本稿ではaldosterone系,RA系それぞれの進化を追い,この両者の結びつきに焦点をあててみたい。
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