特集 神経回路網と脳機能
特集「神経回路網と脳機能」によせて
久保田 競
1
1京都大学霊長類研究所
pp.142
発行日 1977年6月15日
Published Date 1977/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903181
- 有料閲覧
- 文献概要
神経系の機能素子としてのニューロンとその突起が,ハードウェア(神経回路)を構成し,その働きによってソフトウェア(脳の統御〔integrative control〕のプログラム)が成立すると考えられる。
このハードウェアの性質をソフトウェアの働きとの関連で解析していけば,脳機能のメカニズムが解明されるであろうという楽観的な見方(一つの立場)が最近になってふえつつあるようだ。これは従来,神経解剖学や神経生理学の分野でその分野の枠内の仕事を行ってきた人達の間だけでなく,もっぱらソフトウェアのみの研究を行ってきた人達(多くの心理学者や動物行動学者〔エソロジスト〕)の間にも受け入れられつつあるようだ1)。
Copyright © 1977, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.