話題
日米セミナー「摂食の神経性調節と肥満」に出席して
新島 旭
1
,
大村 裕
2
Akira Niijima
1
,
Yutaka Oomura
2
1新潟大学医学部第一生理学教室
2九州大学医学部生理学教室
pp.271-274
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903064
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欧米諸国においては女性5人に1人,男性では7人に1人が肥満体であるといわれているが,最近日本でも肥満者の増加が指摘されている。肥満のおもな原因は過食であるといわれているが,他方,食欲不振に悩む人々の数も少なくない。
最近10年間における摂食機構の研究の進歩は目ざましく,摂食をおこすしくみ,あるいは満腹時に摂食を止めるしくみなども明らかになりつつある。研究の進歩には"食欲に関する中枢"への微小電極による,とくに多連電極による研究が大いに役立つている。多くの研究者が摂食機構に関心をもちはじめつつある。このような時期に,摂食と肥満に関する日米セミナーが,日本側,大村教授(九州大・医・生理),米国側,Wayner教授(Syracuse大・心理)により企画され,日本側へは学術振興会の多大の援助のもとに,日本と米本土との中間地点のハワイで行なわれたことはまことに喜ばしく意義のあることであつた。
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