Japanese
English
主題 発生,分化・2
発生過程における核酸合成の調節機構
The Control of Nucleic Acid Synthesis during Development
山名 清隆
1
Kiyotaka Yamana
1
1九州大学理学部生物学教室
1Department of Biology, Faculty of Science, Kyushu University
pp.50-62
発行日 1969年4月15日
Published Date 1969/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902800
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Ⅰ.はじめに
1964年,BrownとLittna1)2)によつて,南アフリカ産ツメガエル(Xenopus laevis)卵や胚におけるリボゾームRNA(r-RNA)***,転移RNA(t-RNA)およびメッセンジャーRNA(m-RNA)の合成パタンが発生にともなつて変化する様子が明らかにされたが,これが発生過程における核酸合成の研究が近代的な装いで登場した最初のものであつた。それまでの生化学的発生学のテキストブック,たとえばBrachet3)の"The Biochemistry of Development"を見ると,そこには1960年頃の,この分野のまことにみじめな姿が浮きぼりにされている。
もちろん,現在,なにもかも明らかにされているというわけではない。まだまだほとんど理解できないことがたくさんあるし,核酸合成の調節機構についてもようやく研究がはじまつたばかりである。しかし,現在,われわれが新しい,急激な知識の進展期に直面しているのは疑いのないところである。
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