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酵素レベルで代謝調節を研究するにあたつてどんな本を読んだらよいか
徳重 正信
1
1京都大学医化学
pp.246-248
発行日 1965年10月15日
Published Date 1965/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902647
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健康ならびに疾病の指標として,組織,体液あるいは排泄物中の特定の酵素の活性のレベルの変動が近年盛んに利用されるようになつてきた。ところがある酵素の活性の変動が認められた場合に,その原因をどこに求めるかという点になると,従来の酵素学ではとうてい解析しきれない現象が次々に見出されてきている。そのような場合,物質およびエネルギー代謝のバランスに狂いがないかどうか見きわめる事が,快復への緒となる場合も多々あり得ると考えられる。生体内で代謝調節の鍵を握る酵素活性の調節は〔Ⅰ〕酵素蛋白質の生合成,すなわち遺伝レベルの調節〔Ⅱ〕すでにでき上つた酵素の活性,すなわち蛋白レベルにおける調節の2つの機構に大別されるが〔Ⅰ〕については他書に譲り,ここでは〔Ⅱ〕について述べる。
まず〔Ⅱ〕の活性調節の仕組みをさらに分類すると次のようになる。
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