Japanese
English
綜説
脂肪組織の生化学
Biochemistry of Adipose Tissue
大野 公吉
1
,
横山 彰
1
Kimiyoshi Ohno
1
,
Akira Yokoyoma
1
1札幌医科大学生化学教室
1Department of Biochemistry, Sapporo Medical College
pp.168-176
発行日 1965年8月15日
Published Date 1965/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902634
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まえがき
脂肪組織,adipose tissueは動物体内のある特定の場所に局在する細胞群からなる。その細胞は主として脂肪を蓄える役割を有し,したがつて脂肪細胞,adiposecellまたはfat cellと呼ばれる。しかし脂肪組織には豊富に毛細血管が分布しているので,血管内皮細胞(en_dothelial cell)が脂肪細胞と共に主要な構成要素である。なお,ある脂肪組織では上記の2種の細胞の間に肥胖細胞,mast cellの存在がしばしば認められる1)。なお,脂肪組織には交感神経の末梢枝が豊富に分布し2),その末端は脂肪細胞や毛細血管には直接関連なく,主として小動脈および静脈,特に後者の血管壁を取り囲んでいる。
脂肪細胞,adipose cellは間胚葉,mesenchymeに発生的起原を有し,脂肪沈着以前には他の間胚葉性細胞,mesenchymal cellから区別され難い3)。
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