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Ⅰ.緒言
生体における情報処理の機構は単に生理学や心理学などのように直接生き物に関係した分野の研究対象として興味あるだけでなく,自動制御や情報処理の方法を研究する工学者にとつても最も興味ある分野の一つとなりつつある。
工学的に開発された各種の制御装置や情報処理装置はしばしば人工頭脳なる名で呼ばれ,その典型的なものとしては高速度電子計算機が上げられる。人工頭脳は人間の手におえない複雑な計算をおどろくべき早さと正確さでもつてやりとげる能力を持つているのであるが,肉筆の読み取りや言語音声の識別を行なつたり,条件反射のような学習機能を機械にやらせようとすると,きわめて能率の悪い不充分な機能しか実現されないのが現状である。人間の子供は1+1が幾つであるか知らなくても自分の親が見分けられるのに,人工頭脳ではむずかしい計算はできても,親の顔が見分けられないのであつて,生みの親達にとつて何んともふがいない限りであるが,そこには生き物の脳と人工の頭脳の働きに原理的な差異が存在するものと考えられる。
An electronic analogue model of the neuron is described. The model neuron is composed of several active units which simulate the electric behaviors of the active loci of the membr-ane of a neuron. The active units include the model axon and the model synapses of six different types (the ordinary, incremental and decremental ones, each having the excitatory and inhibitory types). The properties of the models are described. Some of the simple neural circuits are built and examined.
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