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特集 血液脳関門研究の最近の進歩
概説―血液脳関門研究の最近の進歩
Recent progress in the blood-brain barrier research
大槻 純男
1
,
高長 ひとみ
1
,
寺崎 哲也
1
,
細谷 健一
2
Sumio Ohtsuki
1
,
Hitomi Takanaga
1
,
Tetsuya Terasaki
1
,
Ken-ichi Hosoya
2
1東北大学大学院薬学研究科薬物送達学分野
2富山医科薬科大学薬学部薬剤学研究室
pp.532-540
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902359
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血液脳関門(blood-brain barrier;BBB)の概念が提唱されてから約1世紀が経った。提唱時は,循環血液と脳との間の物質透過性を制限する「静的な障壁=Barrier」として血液脳関門はとらえられていた。しかし,最近10年の飛躍的な研究の進歩によって,このような古典的な概念から物質を選択的に識別し,物質交換を制御する「ダイナミックインターフェース」へと血液脳関門の概念が変化した。今日,血液脳関門はグルコースやアミノ酸などのエネルギー源を脳へ供給する支援システムとして働き,また,脳に異物が侵入しないように不必要な分子を脳から締め出し,かつ脳内で産生された代謝物などを排出する防御システムの役割を果たしていると考えられる1,2)。本稿においては,血液脳関門研究の歴史と研究手法,構造,機能について概説し,さらに成果を紹介する。
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