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特集 血液脳関門研究の最近の進歩
血液脳関門の薬理学
Pharmacological respects of blood-brain barrier
岸岡 史郎
1
Shiroh Kishioka
1
1和歌山県立医科大学薬理学教室
pp.541-547
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902360
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血液脳関門は生体異物の中枢神経系への移行を制限する生体防御機構のひとつであり,色素を静脈内に投与しても脳が染色されないことから明らかにされた。薬物の中には生体異物として認識され,血液脳関門が障壁となり中枢神経系に到達できないものがある。例えば,ロペラミドはオピオイド受容体作動薬であり,脳室内投与により鎮痛作用が惹起されるが,全身投与では脳内への移行は少なく中枢作用もほとんど認められないため,オピオイドの末梢作用である止潟薬として用いられている。このように,血液脳関門は生体異物から脳を保護しているが,中枢神経系への薬物移行が妨げられることによって中枢神経系の薬物治療に支障をきたすこともある。本章では,脳への薬物移行の観点から血液脳関門について概説する。
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