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実験講座
小胞体内Ca2+濃度の測定法と小胞体Ca2+ポンプの機能解析法
Technique for in situ measurement of free Ca2+ in organelles with use of a low affinity Ca2+ indicator
最上 秀夫
1
Hideo Mogami
1
1群馬大学生体調節研究所調節機構研究部門
pp.250-256
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902121
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カルシウムイオン(Ca2+)の細胞内シグナルとしての役割はまず骨格筋の興奮収縮連関において確立された。その後,Ca2+はセカンドメッセンジャーとして分泌,発生,分化,増殖など生体機能の制御に密接に関与していることがわかってきた。そして,1980年代にTienらのグループによって開発された細胞内蛍光Ca2+指示薬は,単一細胞レベルでの細胞質内Ca2+濃度([Ca2+]1)での変化を捉えることを可能とし,細胞内カルシウムシグナルと細胞の機能の研究に大きな進歩をもたらした1)。これら研究過程で[Ca2+]1は時間的,空間的,濃度的にダイナミックに変化することがわかってきた2,3)。カルシウムシグナルの形成には,細胞内Ca2+ストア特に小胞体からのCa2+の放出と小胞体Ca2+ポンプによる再吸収が非常に大きな役割を果たしている3)。近年,新たな蛍光Ca2+指示薬を細胞に負荷したり,あるいはCa感受性蛋白質を遺伝子工学的に細胞に導入することにより,細胞内小器官であるミトコンドリアや小胞体のCa2+動態を捉えることも可能になってきた。本稿では,低親和性蛍光Ca2+指示薬,mag-fura-2を用いた小胞体内のCa2+濃度([Ca2+]er)の測定方法と併せて小胞体Ca2+ポンプ機能解析法をマウス膵外分泌腺房細胞を例にとり紹介する。
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