Japanese
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特集 リソソーム:最近の研究
リソソームとアポトーシス
Apoptosis, Involvement of Lysosomal Enzymes
石坂 瑠美
1,2
,
内海 俊彦
2
,
矢吹 宗久
1
,
勝沼 信彦
3
,
内海 耕慥
1
Rumi Ishisaka
1,2
,
Toshihiko Utsumi
2
,
Munehisa Yabuki
1
,
Nobuhiko Katunuma
3
,
Kozo Utsumi
1
1倉敷成人病センター医科学研究所
2山口大学農学部生物資源科学科応用生物化学講座
3徳島文理大学健康科学研究所
pp.117-126
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901681
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アポトーシスは細胞の“死滅過程”の一種であり,1972年Kerr1)により見出された。この細胞死の過程では,死につつある細胞から放出されるものはなくクリーンな死であり,発生段階で細胞が秩序だって死滅する現象である“プログラム細胞死”は典型的なアポトーシスによる細胞死である2-4)。このアポトーシスは単に不必要な細胞の除去機構としてだけでなく,生体のホメオスタシスに積極的な役割を演じている2-4)。アポトーシスの機構解析は近年著しく進展し,一部の分子機構はかなり詳細に解明されてきた。
その一つは,腫瘍壊死因子(TNF-α)やFasリガンドによる細胞表面受容体を介するアポトーシス誘導機構である。これらの細胞外因子は,それぞれ特異的な受容体に殺細胞シグナル分子として結合し,cysteine aspartase(カスパーゼ)カスケードを活性化して5,6),death substrateと呼ばれる一群の細胞内蛋白質を分解することにより細胞死を誘導する7)。また他の一つは,ミトコンドリアから遊出するシトクロムcを含むapoptotic proteaseactivating factor(Apaf)複合体によるアポトーシス誘導機構である8,9)。
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