特集 器官―その新しい視点
1.消化器
肝臓:組織
和氣 健二郎
1
Kenjiro Wake
1
1東京医科歯科大学医学部解剖学第一講座
pp.363-367
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901111
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ポイント 肝小葉内結合織の実体
器官は一般に上皮組織とそれを裏打ちする結合織から成立っている。この二種の組織間のコミュニケーション(上皮・結合織相関)は細胞の分化や機能の発現に必要である。腸の附属腺として発達した肝臓もその例外ではないが,肝上皮(実質細胞)に対応する結合織の実体は最近まで不明であった。その理由は,肝小葉内の結合織は,通常の光線顕微鏡標本ではほとんど観察できないことや,たとえ電子顕微鏡で鏡検しても立体的な構造関係は把えにくいからである。ここでは肝小葉内結合織の特徴について検討してみたい。
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