検査技師のための解剖図譜・4
肝臓
三島 好雄
1
1東大第1外科
pp.436-437
発行日 1972年4月15日
Published Date 1972/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907594
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1.肝臓(liver)
肝は体重の約1/50,900-1500gに及ぶ大きな実質性臓器で,図1のように横隔膜(diaphragma)の直下に位置し,その大部分が胸廓におおおれているので,体表から一部をふれうるにすぎない.ただ乳幼児では肝が相対的に大きいので,正常でも肝をふれるのがふつうである.
肝は全体として楔状の三面体をなしており,解剖学的に左・右・尾状および方形の4葉に分けられる(図2).内臓に面する部分には,胃,結腸,腎など隣接した臓器に一致した圧痕が存在し,その中央にくぼみがあって,ここから肝動脈,門脈,胆管,リンパ管,神経などが出入りするので,肝門(porta hepatis)と呼ばれている.
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