Japanese
English
特集 染色体
染色体構築に関与する蛋白質
The analysis of proteins for chromosome architecture
金田 安史
1
,
金田 能尚
1
,
佐藤 学
1
,
木下 勝就
1
,
金田 真理
1
,
田中 亀代次
1
Yasufumi Kaneda
1
,
Yoshinao Kaneda
1
,
Manabu Sato
1
,
Katsunari Kinoshita
1
,
Mari Kaneda
1
,
Kiyoji Tanaka
1
1大阪大学細胞生体工学センター
pp.233-238
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900731
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細胞周期において分裂期は最もダイナミックな変化がおこるステージである。遺伝情報は染色体の中にパッケージされ次の世代に伝えられるとともに,核蛋白質はラミンのように細胞質に飛散したり,ヒストンのように染色体上に局在したりしながら,分裂期の終了に伴って再び核を構築するために機能する。染色体の構築機構の解析は,したがって,遺伝情報の維持機構の解明とともに,核の構築機構の解明の糸口となるであろう。
現在までに染色体構築の研究は分裂酵母の変異株を用いた系が最も進んでおり,その変異を相補する因子を分離し,それとホモロジーを有する高等動物の蛋白質を同定することにより,高等動物における染色体構築の最も基本的な理解がある程度なされるようになった。それでもなお,その高次構造に関する知見は乏しいといえるだろう。その理由は,高次構造を解明するin vitro系の開発が遅れていたことと,高次構造を司る核蛋白質の解析がことに高等動物において乏しかったためであろう。in vitro系についてはアフリカツメガエル卵の抽出液を用いた系が開発されてきている1)。構築蛋白については,BHK21の温度感受性変異株の分構とそれを用いた相補遺伝子の単離(RCC1)2)や,ヒト自己抗体を用いた一群のセントロメア構築因子の単離3-5)などが成果をあげている。
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