Japanese
English
特集 血管新生
血管の可塑性
Plasticity of blood vessels
藤田 尚男
1
,
今田 正人
2
Hisao Fujita
1
,
Masato Imada
2
1塩野義製薬研究所
2日本大学医学部解剖学教室
pp.194-200
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900339
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血管の可塑性について書くことを簡単に引きうけてしまった私は,〆切日が近づくにつれて,このような問題をとりあげる資格のないことを自覚し,悔いている。その理由は,私は血管についての専門家でないからである。今さら致し方ないので,甲状腺の毛細血管の形態が,腺の機能状態に応じて容易に変化することをわれわれが撮った写真によって示し,「血管には強い可塑性がある」ことを眼で認識していただくことにしたい。
私が甲状腺の分布血管の構造が分泌機能に応じて変化することに関心をもつようになったのは,1970年(昭和45年)の暮に冬眠コウモリや,下垂体摘出ラットの甲状腺の毛細血管内皮の小孔(まど)(fenestrations)の数が減少していることに気づいてからである。
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